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2015年10月6日火曜日

Audio Alchemyが、ついに再スタート。日本でも正式に発売開始が決定しました。

Audio Alchemy(オーディオ・アルケミー)が、ついに再スタートしました。

これを聞いて『おー』と反応する方は、そろそろ50代に・・・と言う方が多いかと思います。
何せ15年強ぶりの復活ですから。
輸入元の方も、先日の『TIAS 2015』で、この世代の方々から質問攻めにあったそうです。


Audio Alchemyは、1989年にアメリカ・カリフォルニアで設立された、ベンチャー企業でした。

当初より、高級機ではなく低価格機を中心に展開する事を決定。
オーディオ畑とはちょっと違う、航空機産業に勤務するDSPエンジニアや、
DSP製造メーカーの設計者等の、異種業種から集まった、
デジタル関連のエキスパートと協力する事で、新しい発想や、最新技術を使用した、
ハイ・コストパフォーマンスなオーディオ機器を開発する事を目標に掲げました。

当時は、単体のD/Aコンバーターが数多く発売され始めた時期でしたが、
高価な物が多く、一般的なオーディオファンが手持ちのCDプレーヤーのグレードアップに・・・、
と言うには、なかなか手が出せないという状況でした。

そこに風穴を開けたのがAudio Alchemyだったのです。

1991年発売の、処女作のD/Aコンバーター『DDE V1.0』は、
W215mm*H45mm*D136mmというコンパクトサイズ。
比較的低価格ながら(日本での価格でさえ79,800円)、骨格のしっかりしたサウンドにより、
新進気鋭のメーカーとして、アメリカを中心に一気にシェアを獲得しました。

第2弾の製品群に含まれていた『DTI』により、
Audio Alchemyはアメリカのハイエンド市場において、重要な地位を持つブランドになりました。
『DTI』は、CDトランスポートと、D/Aコンバーターの間に追加する事で、
伝送ジッターを除去する装置でした。

今では当たり前に話題になる、
デジタル機器間の伝送ジッターの音質への影響を知らしめた、歴史的な製品でもあります。
また、ジッターを除去した信号を、I²S伝送する事でジッターフリーで、
D/Aコンバーターに送り込む事も提案しました。
この方法は、端子の形状は違いますが、日本のC.E.C.のスーパーリンクや、
アメリカのPS AudioのHDMIケーブルを使用した伝送に引き継がれています。

その後、CDトランスポートやフォノイコライザー、
パワーアンプ等々積極的な開発を行いましたが、
出資会社との関係が悪化するなど、紆余曲折がありAudio Alchemyは空中分解。

しかし、Audio Alchemyに参加していた技術者達は、
その後も世界中のオーディオメーカーで、多くの先進的な製品の開発に参加し続けました。

今回、新生Audio Alchemyの中心に居るのは
旧Audio Alchemyの設立時メンバーであり、開発責任者兼副社長であった、
Peter Madnick(ピーター・マドニック)氏です。
アメリカのハイエンドブランドとして注目される、
Constellation Audio(コンステレーション・オーディオ)の開発メンバーでもあります

新生Audio Alchemyは、
『現実的な価格で優れた音質を求めるオーディオファイルの為の製品を実現する』
と言う旧Audio Alchemyが掲げた理念を、最新の製造技術とテクノロジーで、もう一度、
更にハイパフォーマンスな製品として実現する事を目標にしています。


そして、新生Audio Alchemyの第1作『DDP-1』は、
やはり彼らの得意分野である、D/Aコンバーターを搭載した製品となりました。


※Audio Alchemy DDP-1 USB-DAC機能搭載プリアンプ(手前) PS-5 強化電源(奥)

USB-DAC機能搭載の、プリアンプ兼ヘッドフォンアンプです。
3つの機能を1シャーシに収めました。
旧世代から見ると、ずいぶん立派なアルミ製シャーシになりました。
USB-DACは、DSDファイルにも対応しています。
現在は2.8MHzまでの対応ですが、ファームウェアのアップデートで5.6MHzにも対応するそうです。


※Audio Alchemy DDP-1 背面端子&内部

デジタル入力は、USB-B端子の他、同軸と光が各2系統。AES/EBUが1系統装備されています。
さらに、特徴的な専用I²S入力端子も装備されています。
こちらは、発売が決定しているネットワークプレーヤー『DMP-1』を接続する為の物との事です。

アナログ入力は、RCAが2系統。XLRが1系統。
アナログ出力は、RCA、XLR各1系統となっています。

このプリアンプ『DDP-1』に組み合わされるのが、
同サイズのシャーシを使用した、ステレオパワーアンプ『DPA-1』です。


※Audio Alchemy DPA-1 ステレオパワーアンプ

クラスDアンプを採用する事で、コンパクトな筐体ながら150w/ch/8Ωの出力を誇ります。
入力は、RCAとXLRが各1系統。
フロントパネルには、ミュートボタン、ゲイン切替ボタン、
RCA/XLR入力選択ボタンが配されています。


お店にデモ機をお持ちいただいたので、早速音出しをしてみました。
スピーカーは、Bowers&Wilkinsの『804SD』を使用。
オーディオ用NAS『DELA』から、USB出力を送り込んで再生です。

多機能プリでありながら、聴感上のS/N感の高さを感じます。
DSDファイルを中心に聴いてみましたが、パワーアンプは想像以上に太い音を出します。
この太さは、コンパクトなスピーカーを使用した、
プライベートルームのシステムでは、より美点になると思います。
クラシックのピアノは、ピアニシモのディテールがきれいに出ていますが、
フォルテシモになると、そのアタックのエネルギー感の確かさに驚きました。
話題の『Thriller(スリラー)』のオープニングの、ドアの軋みのディテールもしっかりと表現。

これらの表現アップに重要な仕事をしているのが、外部電源ユニットの『PS-5』。
旧世代から、外部電源のグレードアップが有効なのは変わらない様です。


今後、ネットワークプレーヤーの『DMP-1』の他に、フォノイコライザーの『PPA-1』、
モノラル・パワーアンプの『DPA-1M』が、ラインナップに加わるとの事です。
そうなってくると、トータルのシステムとしてより魅力的になっていくでしょう。


Audio Alchemy
DDP-1 USB-DAC搭載プリアンプ NEW
定価380,000円(税別)

アナログ入力 : RCA*2系統、XLR*1系統
デジタル入力 : 同軸・光*各2系統、USB-B・AES/EBU、I²S(5PIN mini DIN)*各1系統
アナログ出力 : RCA・XLR*各1系統
ゲイン : 26dB
ヘッドフォンアンプ出力 : 1w(32Ω)
デジタル入力対応サンプリングレート
 ・DSD系 : 2.8MHz
 ・PCM系 : 最大192kHz/24bit
サイズ : W267mm*H76mm*D295mm(ツマミ等除く)
重量 : 3.6kg(本体)

オプション
PS-5 外部電源ユニット NEW 定価120,000円(税別)
 ・トータルキャパシター : 40,000μF
 ・サイズ : W140mm*H76mm*D295mm 
 ・重量 : 4.1kg


DPA-1 ステレオパワーアンプ NEW
定価380,000円(税別)

出力 : 150w/ch/8Ω
サイズ : W267mm*H76mm*295mm(端子等除く)
重量 : 7.3kg




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