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2016年9月9日金曜日

【再掲載】Bowers&Wilkinsの新しいフラグシップモデル『800D3』の勉強会に参加してきました。

お待たせしていた、Bowers&Wikinsの新しいフラグシップモデル『800D3』が発表されました。

D&Mホールディングス本社で開催された、
秋の新製品を集めた正式発売前の、販売店向け勉強会に参加させて頂きました。


※Bowers&Wikins 800D3 NEW(右) 802D3(左) フロアー型スピーカー

『800D3』は、Bowers&Wikinsの50周年記念モデルという位置付けになります。

高さは『802D3』の1,212mmに対して、『800D3』は1,217mmとほぼ同サイズです。
ウーハー径が250mmへと1サイズ大きくなっている為に、幅は23mm広くなっています。
事前に写真を見せて頂いていおり、かなり幅広い大きな製品とイメージしていたのですが、
現物を目にしてみると、さほど大きいとは感じないサイズでした。


※背面より 800D3(左) 802D3(右)

背面から見ると、若干アルミのプレートの幅が大きくなっています。


※サイドから 800D3(手前) 802D3(奥)

サイドから見ると、ほぼ同じに見えます。

となると、『800D3』は『802SD』のウーハーを200mmから250mmに大型化しただけ?
という疑問が出てきますが、そこは『800D3』は50周年記念モデル、という訳で、
『800D3』専用のパーツ等が新たに開発、搭載されています。


まずはウーハー。『802D3』のウーハーから、かなり変更点があります。
参考に置かれたいた、旧モデル『800SD] のユニットと比べながら説明します。


※800D3ウーハー(手前) 800SDウーハー(奥)

ウーハーのコーン紙は、他の『800 D3シリーズ』同様に、
シンタクティックフォームと呼ばれる素材を使用しています。
この点以外に関して『802D3』のウーハーのコーン紙は、
旧モデル『800SDシリーズ』の基本的な構成を引き継いでいます。
※コーン紙以外に関しては、フレームのデザイン変更、
マスター・ダンパー・テクノロジーの採用など、変更点は多岐にわたります。


※800D3・シンタクティックフォーム採用コーン(上の断面が見えるもの)
800SD・ロハセル採用コーン(下)

前作から、ウーハーのセンターキャップにはカーボンスキンが使用されていましたが、
薄いシート状の為、指で押すとほんの少しですが変形します。
このセンターキャップの共振がミッドレンジの帯域に重なる事がわかり、
『800D3』ではコーン紙に採用した、シンタクティックフォームを、
カーボンスキンでサンドイッチする事で強度を上げるとともに、共振を抑えたそうです。

ウーハーはもう1点変更されています。


※800D3の磁気回路(手前) 800SDの磁気回路(奥)

『800D3』の磁気回路のヨークは、後部が細くなっています。
『802D3』までの製品はヨークの形状が、前後で同じ太さのままです。
これにより、コーン紙が前後に動く際に、ほんの少しだけ差が生まれていたそうです。
それが2次高調波、3次高調波歪として、ミッドレンジの帯域に重なっていたそうです。

ヨークの前後サイズを変更する事で、前後の動きの差を無くす様に変更したそうです。
この変更で、ウーハーの歪は10dBほど改善されており、
数値でいうと0.1%と、ほぼアンプ並みの数値になっているそうです。


変更点の2点目はネットワークのパーツ。


※ネットワーク 800D3(右) 802D3(左)

クロスオーバー周波数そのものは、『800D3』も『802D3』も同じとの事です。
ミッドレンジのクロスオーバーのコンデンサーが変更されているのが、写真からもわかります。
※『802D3』の白いコンデンサー2個が、『800D3』では黒いコンデンサーに変更されています。

採用されたコンデンサーは、ドイツ・ムンドルフ社の現行最高グレードの物との事です。


3点目が、最後の変更点。スピーカーの台座です。


※スピーカーの台座 800D3(右) 802D3(左)

素材は、『802D3』等で使用されているアルミ・亜鉛合金から、アルミのみに変更されています。
その為、サイズは大きくなっていますが、
重さは『802D3』の18.5kgから、『800D3』は約10kgと軽くなっています。

『802D3』はアルミ・亜鉛合金のダイカスト製とする事で、その重量で共振を抑えていました。
アルミで製にすることで軽くなって問題は?と思ったのですが、
タービンヘッドや、ユニットのフレームにも採用された、
『マスター・ダンパー・テクノロジー』を台座部にも採用する事で、共振を抑えています。
台座の見本を叩いてみても、コツンという音で鳴るだけで響きはほとんどありません。
『802D3』の台座は単体では響きますが、
上にスピーカーが乗った状態では響きは抑えられています。
それでも若干の響きがあり、この響きがミッドレンジの帯域に重なっていたそうです。


と、ここまでの内容から、『あ~、なるほどね』と思う方も多いと思います。

そうです。すべての変更点はミッドレンジの帯域の歪を減らす為のものなのです

その為、ウーハーが大きくなった事によるスケール感のアップ以上に、
ミッドレンジ帯域のキレと、透明感、密度感がアップしている事が感じられます。



Bowes&Wilkins 800D3 フロアー型スピーカー
定価4,250,000円(ペア/税別)ローズナット / 4,500,000円(ペア/税別)ピアノ・ブラック

形式 : 3ウェイ・バスレフ型
搭載ユニット
 ・ツィーター : 25mmダイヤモンド・ドーム・ツィーター*1基
 ・ミッドレンジ : 150mmコンティニュアム・コーンFST*1基
 ・ウーハー : 250mmエアロフォィル・コーン*2基
周波数特性 : 13Hz~35kHz
周波数レスポンス : 15Hz~28kHz(±3dB)
能率 : 90dB(2.83V/1m)
インピーダンス : 8Ω(最低3Ω)
サイズ : W413mm*H1,217mm*D611mm(脚部含まず)
重量 : 96kg

ワンサイズ大きくなっていますが、台座が軽くなっている事もあり、
『802D3』からの重量アップは1.5kgに抑えられています。




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