『オーディオの折り紙』に関しての紹介です。
MERIDIANの『MQA』に関しては、
輸入元のハイレス・ミュージック株式会社のHP内『MQA情報』の中に、
開発者による技術レポートがあります。
http://www.jas-audio.or.jp/jas_cms/wp-content/uploads/2015/12/201511-045-057.pdf
こちらの内容を、文系頭がまとめてみました。
『MQA』を使用すると、どのくらいデータ量が小さくなるかに関してはこちら↓
http://nojima-audiosquare.blogspot.jp/2016/06/718meridianmqa.html
『MQA』のベースになる考え方に関してはこちら↓
http://nojima-audiosquare.blogspot.jp/2016/07/meridian1.html
前回までは、『MQA』のメリットと、ベースになる考え方をお伝えしてきたので、
今回は、圧縮のプロセスに関してまとめてみました。
まずは、元のデータとなる192kHz/24bitの音源です。
※図1
図1の赤線は、192kHz/24bit録音の『ラベル・弦楽四重奏』の周波数スペクトラムです。
このデータを『オーディオの折り紙』で小さくしていく工程を見ていきましょう。
※図2
まずは、図2をご確認ください。
図の一番下の数字は、周波数を表しています。
A領域は24kHzまで、B領域は24kHz~48kHz、C領域は48kHz以上となります。
図2の赤線は、録音時の信号レベルです。
が、C領域の赤線が、図1の緑で表された録音環境での、
暗騒音のピークと同じであることを確認しておいてください。
また青の線は、図1、2ともに暗騒音の平均を示しています。
ここからわかるのは、24bit録音であっても、実際の録音では、
録音環境の暗騒音、マイクの持つ熱雑音、マスターテープのノイズ等の影響で、
ダイナミックレンジとしては16bit(96dB)さえも難しい事がわかります。
また、オリーブ色の線は、ノイズレベルから-10dBを示しています。
ノイズに埋もれている音でも、ノイズレベル以下の10dBまでなら、
人間は聞くことが出来ると言われており、そのレベルを示しています。
グラフから見ると、その最小信号は-120dB(約19~20bit)ですから、
20bit~24bitの範囲はノイズをデータ化しているだけで、重要なデータは存在していません。
まずは最初の『折り』で、サンプリング周波数196kHzの信号を、96kHzに変換します。
その際、C領域・48kHz~96kHz(192kHz録音の場合)の信号を、
B領域のオリーブ色の線のよりも下のノイズ領域に格納します(Encapsulation)。
次に、2回目の『折り』を行います。
※図3
ここで、96kHzの信号を48kHzに変換します。
B領域の24kHz~48kHzの信号を、A領域のノイズレベル以下に収納します(Lossless)。
また、同じようにC領域のデータもA領域に移動されます。
その際、2つのデータは干渉しない様にカプセル化されています。
この工程が完了すると、図4の様にサンプリング周波数48kHzの信号となります。
※図4
データ量としては、最初の192kHz/24bitのデータの約1/7程度になるそうです。
再生時には、折り紙を開く事で、図2の最初の『折り』を行う前の信号に戻します。
『MQA』は現在のところ、対応機器側(USB-DAC等)でデコードを行っています。
ですから、PCから出力されるサンプリング周波数は、
ベースとなる44.1kHz、もしくは48kHzでの出力となります。
対応する機器に、このデータ(『MQAデータ』)が入力されれば、
96kHzや192kHzのサンプリングで再生される事になります。
出力先の機器が『MQA』に対応していない場合は、
ベースとなる44.1kHz、48kHzでの再生となる、コンパチビリティを備えているのも魅力です。
7月18日に、『MQA』をご体験して頂ける試聴会を開催します。
MERIDIAN・MQA体験試聴会
<使用予定機材>
MERIDIAN
・Explorer2 : ヘッドフォンアンプ搭載USB-DAC
・PRIME HEADPHONE AMP : ヘッドフォンアンプ搭載USB-DAC
LUXMAN
・C-700u : プリアンプ
・M-700u : パワーアンプ
Bowers&Wilkins
・803D3 : スピーカー
開催日 : 7月18日(月・祝) :海の日
開催時間 : 14:00~16:00
開催場所 : オーディオスクエア藤沢店試聴室
お席のご予約はこちら↓
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdIsIXAJcYYf6mdgnw35hC7RlvJpM5H_510bkUIwuQ2MKGsCg/viewform
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ONKYOに確認したところ出力データは表記サンプリングレートのまま(MQA対応外部DACへ送るデータ)、表記サンプリングレートのナイキスト周波数以上の高域は含まれていないという2つの回答を頂きました。同社はDP-X1というMQA対応DAPがあるのでそれに関する質問での返答になります。MQA対応DACでデコードした音声には表記サンプリングレートのナイキスト周波数以上の高域が含まれていないならば、DAC内部での展開も48KHz/24bitのままではないのでしょうか?無論、通常のPCMでも8倍オーバーサンプリング等行われますが、その部分ではなく、MQAとしての展開の領域の話です。いまいちMQAのDAC内での処理プロセスが見えてこないのでおおかりでしたら教えていただけますと助かります。
返信削除遅くなりましたが、ご質問の内容に関するブログをアップしました。
削除http://nojima-audiosquare.blogspot.jp/2016/08/mqa.html