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2015年9月27日日曜日

【TIAS 2015】 YAMAHAからは久々の30cmウーハー搭載・3ウェイスピーカーのプロトタイプが登場。

YAMAHA(ヤマハ)は、久しぶりに30cmウーハーを搭載した、大型ブックシェルフを展示。

大型ブックシェルフ型の新製品としては、
1987年のYAMAHA100周年記念モデル『NSX-10000』以来となる、本格派。
      
    ※30cmウーハー搭載モデルとしても、1991年のアクティブ式フロアー型の『GF-1』以来です。



※YAMAHA NS-5000&専用スタンドSPS-5000

スピーカーの『Soavoシリーズ』や、
アンプ、SACDプレーヤーの『S3000シリーズ』『S2100シリーズ』は、
日本国内と言うよりは、ヨーロッパの意向をより強く意識して開発されてきました。
この事は、ワールドプレミアムが、日本ではなくドイツ等で行われていた事からもわかります。

今回のスピーカー『NS-5000』は、YAMAHAの本拠地である、
『日本』主導でマーケティングされる高性能モデルの第1弾となる製品です。

素材、エンクロージャーの設計等に、最新の素材、理論を採用した、
今後のYAMAHAのイメージリーダーとして開発されたのが、この『NS-5000』です。

YAMAHAにとって歴史的なモデルとして存在する『NS-1000M』。
確かに、良いスピーカーである事は認めます。
YAMAHAのプロモーションも『NS-1000M』を前面に出しています。

でも『NS-5000』を、安易に『NS-1000M』の現代版と言うのは、
このモデルの本当の価値を間違えて伝える事になるのでは・・・と心配します。

基本的な、外観のデザインコンセプトこそ似ていますが、それ以外に共通点はありません。
そもそも、『NS-1000M』は密閉型ですが、『NS-5000』はバスレフ型ですから。

エンクロージャーは北海道産の白樺積層合板。
積層合板の使用は、YAMAHAのトップエンドである、『NSX-10000』や『GF-1』以来となります。
フロントバッフルは29.5mm厚。その他5面は20mmとなります。
おそらく、全面積層合板は、YAMAHAでは初の構成と思われます。

搭載されるユニットは、全て『Zylon(ザイロン)』と呼ばれる繊維を使用。


ザイロンは、有機系繊維としては世界最強の強度を持ち、変形しづらく、
更に共振しづらいという、ベース素材としては大変魅力的な素材との事です。
YAMAHAは今回、このザイロンをソフトドーム状にし、
モネル合金という耐食性に優れた、ニッケルと銅の合金を蒸着させています。

ユニットに繊維を使用するのは、『GF-1』の30cmウーハーでケブラーを使用して以来です。

デザインが四角いオーソドックスなモノになった最大の理由は、
エンクロージャーの内部構造に関係してきます。


※NS-5000 内部構造

内部には、ほとんど吸音材が配置されていません。

ツィーターとミッドレンジには、不思議な形の黒いバックチャンバーが取り付けられています。
ユニットの背圧を閉管の理論を応用して、吸音材無しで吸収します。
B&Wのノーチラスチューブも、同様の理論で設計されていますが、
YAMAHAの場合は、長さの違う管を組み合わせ、より効率的に背圧を消しています。
その為、チャンバーの中にも吸音材は無いそうです。

現在のスピーカーは、エンクロージャーの平行面を無くす事で、
内部の定在波を分散させていますが、
YAMAHAは、あえて平行面のある四角いエンクロージャーを採用しました。
こうする事で、発生する定在波が特定の周波数に集中する事になります。
それを、内部に配置した共鳴管で効率よく吸収させています。


※内部に配置される、定在波吸収用の共鳴管

この共鳴管の入り口が、カットモデルの手前の所にあるのがわかります。
これは、ルームチューニング用の調音パネル『ACP-2』でも使用されている技術です。

吸音材が無い事により、鳴りの良いストレスを感じさせないサウンドを実現しています。
YAMAHAのブースに流れていた音は、極めてナチュラルで、しなやかさを持っていました。


今回のプロトタイプは、イメージとしては70%位の完成度との事。
来年の7月の発売に向け、最後の調整を行っていくとの事です。

基本設計のスタートから6年。あと少しで目の前に完成品が登場します。


YAMAHA
NS-5000 30cmウーハー搭載ブックシェルフ型スピーカー
予価1,500,000円(ペア/税別) 2016年7月発売開始

形式 : 3Way・3スピーカー・バスレフ型
使用ユニット
 ・ツィーター : 3cm Zylon振動板採用ドーム型*1基
 ・ミッドレンジ : 8cm Zylon振動板採用ドーム型*1基
 ・ウーハー : 30cm Zylon振動板採用コーン型*1基
周波数特性 : 23Hz~40kHz
能率 : 88dB(2.83V/1m)
インピーダンス : 6Ω(最小3.2Ω)
クロスオーバー周波数 : 750Hz/4,500Hz
サイズ : W395mm*H690mm*D381mm(D422mm・突起物含む)
重量 : 35kg
付属品 : ユニット用プロテクター


SPS-5000 NS-5000専用スタンド
予価150,000円(ペア/税別) 2016年7月発売開始

材質 : 脚部・アルミ無垢材/天板、スパイク、スペーサー・スチール
サイズ : W392mm*H309mm*D374mm
重量 : 8kg
付属品 : スピーカー固定ネジ


予約開始は2016年6月1日からの予定となっています。




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