イタリア・Sonus faberの人気モデル『ELIPSA Red』が、
今年(2017年度)若干数を製造して、生産完了となる旨が発表されました。
※Sonus faber ELIPSA Red
Sonus faberの創業者・故フランコ・セルブリン氏の、スピーカー設計の集大成ともいえる、
2004年に登場した、上位シリーズの『STRADIVARI Homage』のコンセプトを引き継ぎ、
エンクロージャーを一回り小型化して、2007年に登場したのが『ELIPSA』でした。
その後、2012年にマイナーチェンジ。
『STRADIVARI Homage』と同一のリング・ラジェター・ツィーターに換装されるとともに、
仕上げも『Homageシリーズ』と同様の『レッド・ヴァイオリン』となり、
仕上げの高級感も一気にアップされ、名前も『ELIPSA Red』となりました。
実はSonus faber、デザインの美しさと、音色の美しさなどで注目される事が多いのですが、
設計の基本は、かなり理論的である事も特徴です。
搭載されるユニットも高性能なものが多く、フランコ・セルブリン氏のころから、
変換器としての能力を高める事に積極的です。
コンセプトのベースとなった『STRADIVARI Homage』もそうですが、
『ELIPSA』の弟モデルであった『CREMONA』も、
2005年にStereoSound誌がFOSTEX本社で行った測定でも、その優秀さが際立っていました。
測定と結果の考証を行ったFOSTEXの担当者が、
極めて優秀な周波数特性、指向特性、インピーダンス変動等をみて、
『これで試聴結果が悪かったら、スピーカー設計者は浮かばれない』、
『これだけ立派な特性が音に現れなかったら、測定を行う意味がない』と言ったほどです。
フランコ・セルブリン氏がSonus faberを離れて以後、引き継いだ設計者は、
Sonus faberの優秀な変換器としての能力を、より高める方向に舵を切りました。
そして、この『ELIPSA Red』が、
『フランコ・セルブリンの音』を色濃く残す、最後のモデルでもあります。
受注は4月末まで。
製造部材確保と受注を平行して実施するとの事ですので、数に限りがございます。
ご検討中の皆様におかれましては、お早めにお声がけをお願いいたします。
Sonus faber ELIPSA Red フロアースタンディング型スピーカー
定価2,400,000円(ペア/税別)
形式 : 3ウェイ3スピーカー、バスレフ・フロアースタンディング型
搭載ユニット
・高域 : 25mm径リング・ラジエーター(デフューザー採用)
・中域 : 150mm径ブラック・ウッドファイバー・コーン型
・低域 : 260mm径アルミニウム/マグネシウム合金コーン型
周波数特性 : 35Hz~30kHz
クロスオーバー周波数 : 250Hz、2.3kHz
能率 : 91dB/W/m
公称インピーダンス : 4Ω
サイズ : W550mm*H1,250mm*D455mm
重量 : 48kg
仕上げ : レッド・ヴァイオリン(グロス)仕上げ
『ELIPSA』の名前は、楕円を意味する『ellipse』から来ています。
弟モデル『CREMONA』を向かい合わせにした様な、楕円の弧を描くエンクロージャーは、
20枚の異なる薄い木を積層構造とする事で製作されています。
上面と底面を、メープルの無垢材で挟み込んでいます。
曲面は、仮想無限大バッフルを実現する、
『Virtual 2π Radiation』コンセプトから導き出されています。
この曲面により、水面に広がる波紋の様に音が広がり、広い指向性を確保しています。
また、エンクロージャーを後方に6度傾ける事で、
全ドライバーユニットの位相特性を合わせています。
また、バッフル面に皮革を貼る事で、バッフルの不要な反射を防いでいます。
※これらの事からも、onus faberがデザインだけでなく、
高レベルな技術的裏付けをもった設計を行ってる事が分かります。
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