約20年使用していたスピーカーは、Bowers&Wilkinsの『Matrix801 S3』。
奥行き感とか、空間内の定位とは何なのかを初めて実感させてくれたスピーカーでした。
またスピーカーのセッティング方法や、アンプの設置場所、結線方法による違い等々、
多くの事を学ばせてくれたスピーカーでした。
前回の『Matrix801 S3』の思い出はこちら↓
https://nojima-audiosquare.blogspot.jp/2017/10/bowers-s3.html
ただし、店頭で新しい技術や考え方が取り入れられた、
ユニットやエンクロージャーを搭載、採用する事で
さらに低歪み、高解像度を実現した現代のスピーカーを聴くにつけ、
そろそろ『Matrix801 S3』を使い続ける限界を感じはじめていました。
特に、この5年程の間に登場したスピーカーは、
年を追うごとに進化をとげ、現在の歪み率はアンプ並みになっているそうです。
※『Matrix801 S3』の時代には、スピーカーの歪みは10%近くあったそうですが、
現在ではBowers&Wilkinsの『800D3 Series』や、YAMAHAの『NS-5000』の様な、
歪みが1%、もしくはそれ以下の製品も現れて来ています。
といっても、前回も書いた通り、無尽蔵な資金がある訳でありません。
予算も含め、次のスピーカーの候補として考えていた事は4つ。
①予算、ペア・150万まで
②現代だからのこそマテリアルと、考え方に裏打ちされた設計のスピーカー
③約20畳のリスニングスペースに合うサイズ
④あまり音をしっかり聴いた事の無いブランド、製品
①素晴らしく低歪なスピーカーは、著名メーカーのフラグシップをはじめ多々あります。
でも数百万と言った予算は、当たり前ですが普通のサラリーマンには正直無理です。
③のサイズの事も含め、フロアースタンディング型で、
リファレンスクラスに近いクオリティを狙うとなると、100万を超えた辺りから、
これから10年以上付き合えそうな、魅力的な製品がリストに上がってきます。
②は今回のスピーカー入れ替えのテーマでもあります。
④は、『え~』という方も多いかもしれませんが、長く1つのスピーカーを使い続けると、
その呪縛(サウンド)からなかなか逃れられなくなります。
①から③を十分に満たしてくれた上で、音以外の何かに大きな魅力を感じたら、
『Matrix801 S3』の呪縛から逃れる為にも、勝負に出てみようと言う考えがありました。
もちろん①から③の条件を満たせるスピーカーに、駄作があるはずはありません。
そうは言っても、そんな都合の良いモデルはなかなかなく、
悩んでいた所に、この4つの項目を満たす伏兵が現われました。
※Focal Sopra No.2 トールボーイ型スピーカー
それがこのモデル、フランス・Focalの『Sopra No.2』。
①の価格に関しては、新しい代理店になるのと同時に、
フランス・Focal社の世界戦略にあわせ、国内販売価格が大幅に下がりました。
その価格、ペアで156万円。
一気に予算に近づきました。
ユニットに関しては、皆さんご存知の通り世界最高峰の技術が採用されています。
マテリアルの面でも、最高峰のものが使われています。
Focalのスピーカー達は、もともと自社のユニットの高性能ぶりをアピールする為に、
開発がスタートした『JM Lab』ブランドのスピーカーから発展して今に至ります。
そういった事もあり、過去のモデルは高性能なユニットが前面に出て、
それを収めるエンクロージャーに関しては、
最上位モデル以外には、特にこれと言った特徴はありませんでした。
しかし、ここにきて一気にエンクロージャーに関して進化している感があります。
その新世代の代表が、『Sopra Series』と言えます。
『Utopia Series』にも採用されているタイムアライメントを意識した、
ツィーターを挟み込む『く』の字型のエンクロージャーとユニットの配置。
ツィーターの背圧をコントロールし、歪みを低減させる『IHL』の採用など、
高性能なユニットを活かしながら、スピーカーシステムとして大幅に進化しています。
※IHLの後方部
ロハセルをグラスファイバーで挟んだ、『Wサンドイッチコーン』採用のミッドレンジは、
免震技術を応用したTMD(チューンド・マス・ダンピング)技術を採用した、
特殊なエッジを搭載する事で、エッジに起因する動的な歪を低減しています
また、磁気回路に『NIC (Neutral Inductance Circuit)技術』と名付けられた、
シュートリングを搭載する事で、歪を大幅に抑える事に成功しているそうです。
※TMD技術を採用したミッドレンジと、逆ドーム型のベリリウム・ツィーター
この様に②に関しては、十二分に満たしていると言えます。
サイズは高さ1,190mm、幅358mm、奥行540mmと③のサイズ面も合格。
18cmウーハーを2基搭載しており、これはシングルウーハーであれば25cm強。
剛性の高い『Wサンドイッチコーン』を採用したウーハーは、
ひと昔前であれば30cmサイズに近い低音を提供してくれるはず。
部屋のサイズを考えても十分な能力を有しています。
という訳で、③もクリアーです。
残るは④。
実は『Sopra No.2』、聴ける機会は何回かあったのですが、結局聴けず仕舞い。
発表された2015年のTIASでは、評論家公演イベントで満席の為に聴けず。
昨年のTIASは、体調不良で訪問できず、またまた聴けず。
※別の機会に上位モデルの『Scala Utopia』、『Diablo Utopia』は試聴済み。
弟モデルの『Electra 1000BE Series』、『Aria Series』は展示していた事もあり聴いてはいます。
弟モデルの『Electra 1000BE Series』、『Aria Series』は展示していた事もあり聴いてはいます。
しかし、しっかり聴いてしまうと、良い悪いに関係なく決断が揺らいでしまいそうです。
そんな背中を押してくれたのが、実は仕上げの色。
『Nogaro Blue』と呼ばれる、
『Sopra Series』に新たに追加された『青色』でした。
日本のスピーカーのみならず、
世界的に見てもめずらしい、その仕上げにやられてしまったのです。
実は先月開催されたLUXMANの新規取扱発表会の前に、既に購入を決めていたのです。
LUXMAN本社でのFocal・新規取扱開始に伴う、事前試聴はこちら↓
https://nojima-audiosquare.blogspot.jp/2017/09/10luxmanfocalsopra-no2.html
10月の出荷開始にあわせ、本日自宅に到着。
一先ず定位置に、置くだけ置きました。
これから数ヶ月は、(角度位の調整はしますが)特に何もせず慣らし込みです。
さて、どのような方向に向かうのか。これからが楽しみです。
Focal Sopra No.2 トールボーイ型スピーカー
定価1,560,000円(ペア/税別)
形式 : 3ウェイ・4スピーカー、バスレフ型
搭載ユニット
・ツィーター : 27mm IHL・ピュアベリリウム・インバーテッドドーム型*1基
・ミッドレンジ : 165mm NIC・TMD・Wサンドイッチコーン型*1基
・ウーハー : 180mm NIC・Wサンドイッチコーン型*2基
周波数特性 : 34Hz~40kHz (±3dB)
低域再生能力 : 28Hz (-6dB)
能率 : 91dB
インピーダンス : 8Ω (最低3.1Ω)
クロスオーバー周波数 : 250Hz/2,200Hz
サイズ : W358mm*H1,190mm*D540mm
重量 : 55kg
『Sopra Series』には、今回の『Nogaro Blue』をはじめ、
『Imperial Red』、『Electric Orange』、『Carrara White』など、
あなたの部屋の雰囲気を一変させる、魅力的な仕上げがラインナップされています。
もちろん、オーソドックスなピアノ仕上げの『Black Lacquer』、
木目の『Dogato Walnut』も、ラインナップされています。
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